カーリング女子でソチ五輪5位の北海道銀行が28日、新体制を発表した。4月から吉村紗也香(22=札幌国際大)が加わり、10年バンクーバー五輪代表の近江谷杏菜(24)は6月以降に加入予定。会見に臨んだ吉村は、スキップとして世界ジュニア選手権3位の実績があり、小笠原歩(35)のもと、次世代の日本を背負うべくスキップ術を学ぶ。苫米地美智子(34)、吉田知那美(22)の脱退も発表された。

 北海道銀行のユニホームに身を包んだ吉村が、会見でメンバーの一番端に座った。初々しくも、はっきりと意気込みを口にした。「もっと成長したい。五輪に出たいという気持ちが強く(加入を)決断しました。将来はスキップを目指します」。行員として、新天地でリスタートを切る。

 今春卒業した札幌国際大では不動のスキップだった。慣れ親しんだ定位置で12-13年シーズンの全日本選手権3位など活躍。ただ、北海道銀行ではスキップ小笠原がいるため、当面は別の役割になりそうで「小笠原さんから、たくさんのことを吸収したい」。スキップ修業に意欲を見せた。

 同席した小笠原は「(吉村は)ジュニア時代に世界大会を経験、実績を積んでいる。次の日本を背負うスキップになってほしいし、育てる」と、同郷(北海道北見市)の後輩に期待を寄せた。会見途中で「北京を目指したい」と思わず間違えた吉村をツッコミ、早速“指導”する場面で笑いも起きた。

 チーム練習は4月から札幌市内で始まる。もう1人の新加入、近江谷は今月末に青森市役所を退職し、6月以降に合流予定。吉村は「チーム全体で高めていきたい」と、18年平昌五輪へ走り出す。【中尾猛】