<高校ラグビー:慶応43-5コザ>◇2回戦◇30日◇花園

 元男子プロテニス選手の松岡修造氏(47)のおいが暴れた。慶応(神奈川)が、コザ(沖縄)に大勝し、3回戦へ進んだ。松岡氏のおい、ロック辻雄康(たかやす、3年)が1トライを奪うなど体を張ってボールを前に進めてFW戦を制圧した。60年ぶりの優勝を目指し、来月1日の3回戦で強豪御所実(奈良)と激突する。

 190センチ、100キロの辻が力強いプレーを見せた。前半5分、高さを生かしたラインアウトから得意のモールで押し、先制トライの起点になった。同28分にはゴール前5メートルのラックから飛び出し、相手とぶつかって転がりながらインゴールにねじ込んでトライ。「ラインが近くに見えたので。うれしいです」と白い歯を見せた。NO8に入った後半は相手陣内でパスを受けると1人を突き飛ばし、3人を引きずってゴール前まで進む場面も。ラインアウトではパスがそれても右手だけでキャッチするなど、身体能力の高さを見せた。

 高校日本代表とU-20日本代表の候補にも選ばれる逸材は、松岡氏のおいにあたる。いつも陽気で感情豊かな松岡氏とは違い、落ち着いた表情で話す。試合でも冷静さが持ち味かと思いきや、「グラウンドでは全然落ち着いてないです。今は取材なので」と冗談っぽく笑う一面も見せた。

 松岡氏とは会話する機会も多い。花園に出発する前、クリスマスに会って食事をした。その際「がんばれよ」と激励されたといい「アスリートとしての気持ちの持ち方や思いの強さが尊敬できる」と笑顔で話した。前回準優勝の桐蔭学園を破っての出場。元日の御所実戦に向け「守備ライン突破を次も狙いたい」と、大きな目を輝かせた。【岡崎悠利】