石原慎太郎東京都知事が9日、代々木体育館で行われた「柔道世界選手権2010」の開会式に出席し、日本選手団を激励した。いきなり「私が北京五輪で見た柔道は、柔道でも何でもない!」と会場を沸かせ「1本」を取る日本の柔道にエールを送った。

 北京五輪を現地で見た石原氏は、ポイント狙いの戦術や、足を取る攻撃が主流なことに立腹。今年になって「効果」の廃止や、足を取る攻撃を反則とするなどのルール改正が行われたことを歓迎した上で「あんなの、ニワトリのけんかみたいで美しくない。本来の柔道に戻してほしいと願う」。自身も学生時代に柔道経験があり「柔道の芸術性とエクスタシーは“1本”にある」と断じた。

 また、時間制限にも「すべきでない」と問題提起。「ヘトヘトになっても出てくる技が芸術。試合が徹夜になってもこの会場をお貸しする用意がある。激しい戦いを見せてほしい」と盛り上げた。