<柔道:世界選手権>◇10日◇男子81キロ級◇東京・代々木第1体育館

 5年ぶりに日本代表復帰した高松正裕(28=桐蔭学園高教員)が銅メダルを獲得した。準決勝で世界ランク1位の金宰範(韓国)に敗れたが、3位決定戦でママドリ(アゼルバイジャン)から小内刈りで技ありを奪い優勢勝ち。「自分でもびっくり。今回は不思議と楽な気持ちでできた」。04年アテネ五輪、05年世界選手権で日の丸を背負ったが、ともに初戦敗退。“三度目の正直”で世界大会初勝利を挙げると勢いに乗った。

 07年に73キロ級から81キロ級に転級。北京五輪出場を逃し、引退も頭にあった。昨年の選抜体重別で優勝したが、同年の世界選手権代表に選ばれず。今年5月の日本代表欧州合宿にも招集されない屈辱を経験した。

 今年5月のグランドスラム大会で2回戦敗退し、篠原代表監督に「代表辞退しろ」と激怒され、「今回ダメなら、もうないぞ」と最後通告を突きつけられた中で結果を出した。ロンドン五輪について「これからの大会でいい結果を出せる自信になった」と胸を張った。【大池和幸】