横綱朝青龍(28=高砂)が、ラジオでDJデビューすることになった。7月11日深夜に放送されるニッポン放送「オールナイトニッポン」(午前1時~)で、契約中のファンタのCMで演じているファン太郎(13)として特別パーソナリティーを務める。12日には名古屋場所(愛知県体育館)の初日を迎えるため、日本相撲協会は「けいこに支障をきたさないように名古屋で事前に収録」「番組内の発言は朝青龍ではなくファン太郎のもの」を条件に許可した。

 朝青龍のDJデビューが決まった。「ファン太郎のオールナイトニッポン」。CM契約中の炭酸飲料「ファンタ」(日本コカ・コーラ社)でのキャラクター、ファン太郎(13歳、モンゴルからの留学生)として一夜限りの特別パーソナリティーを務める。1967年(昭和42)開始の長寿番組だが、力士が番組を仕切るのは初めてという。

 出演はファンタの新製品宣伝協力の意味合いが強く、日本相撲協会広報でも「契約の範囲内」と説明している。朝青龍に近い関係者によると「モンゴルで左ひじと腰の治療に専念している横綱の耳にはまだ入れていない」という。だが、キャンセルできない大仕事。出演にあたり、協会側からニッポン放送側には「けいこに支障をきたさないように、深夜の生放送ではなく午後からの収録」という条件が出されていた。

 春場所前の3月8日、ファン太郎として「渋谷ガールズコレクション」でモデルデビューした際は、番付発表後は「開催地を離れずけいこに専念する」という角界の常識を破り、当日のけいこをサボって大阪から上京。批判を浴びたが、今回はそれを避けるため7月2日、名古屋市内での収録という環境も整えられた。

 予定ではリスナーから恋愛相談を受けたり、将来の夢を語るコーナーも用意されている。展開によってはファン太郎であることを忘れ、不仲もウウサされたタミル夫人との現況、引退後にモンゴル大統領を目指す夢を語るかもしれない。だが、ニッポン放送側は「相撲協会からは『発言内容は、朝青龍としてではなくファン太郎としてのもの』という条件も出されています」と説明している。

 モンゴルに帰国中で、番付発表当日の29日に再来日する朝青龍自身は、この番組に出る限り、名古屋場所での全休は難しくなる。関係者によると「腰は完治。左ひじは慢性的な痛みが残る」というが、それを理由に全休すれば「副業はできるのに」と再び批判の対象になる。2場所連続で優勝を逃しているだけに、土俵外の活躍以上に土俵での奮起も必要になりそうだ。【柳田通斉】