2月1日予定の日本相撲協会役員選挙が、一転して「無選挙」になる可能性が出てきた。15日、時津風一門のある親方は「二所ノ関一門次第で、鏡山さんが辞退するかもしれない」と明かした。時津風一門は前日14日、理事候補として鏡山親方(元関脇多賀竜)の擁立を決定。17票を持つ同一門と13票の高砂一門が協力し、陸奥親方(元大関霧島)と、高砂一門の九重親方(元横綱千代の富士)の3人の当選を目指している。

 現状では、貴乃花親方(元横綱)の強行出馬で揺れる二所ノ関一門の出方を見ている。同一門は従来の理事枠「3」に対し、現職の放駒親方(元大関魁傑)二所ノ関親方(元関脇金剛)と新顔の鳴戸親方(元横綱隆の里)貴乃花親方が立候補。4人が出馬意思を譲らず、8日に貴乃花親方が一門離脱を表明した。

 18日に一門会を開く二所ノ関一門は、貴乃花親方を含めた「3人」に調整する可能性がある。そうなれば立候補予定者は11人。鏡山親方が辞退すれば、定員の10人になる。理事を1人増やす好機だが、「騒動収拾のために」あえて退く可能性があるという。一門同士の駆け引きは、まだまだ続くようだ。