1953年5月から大相撲を中継するNHKが、名古屋場所を中継するかどうかの判断を先送りした。福地茂雄会長(76)が1日、定例会見で「6日以降に判断する」と語った。当初は6月28日に行われた相撲協会の臨時理事会と評議員会を受け、この日にも結論が出るとみられていた。だが賭博問題で6月14~30日に視聴者から約8200件の反響があり、うち約67%の約5500件が放送中止を求めるもので、同会長は「かつてないほど多い。重く受け止める」と、態度を保留した。

 4日の臨時理事会の内容について5日に説明を受けて結論を出す。1月に起きた元横綱朝青龍関の暴力問題でも反響は458件で、うち中継反対は8件だった。福地会長は「今回は問題のとらえ方が全然違う。(放送は)現時点でまったくの白紙」と、初日(11日)目前でも急きょ放送中止を決断する可能性があることも示唆した。

 視聴者から受信料を取っているだけに、判断の基準については「視聴者がどう受け止めているかが大事。相撲協会が問題をどう解決して再発を防止するか、視聴者が納得できる説明をしてくれればいい」と話した。仮に中継した場合でも、放送枠の短縮や今回の問題をテーマにしたコーナーを設けるなどの対応も検討しているという。