謝罪効果か、希少価値か、名古屋場所の入場券と番付の売り上げが増加した。番付発表の5日、会場となる愛知県体育館では、入場券が通常の3倍さばけた。売り出してから、2、3番目の記録という。また、1枚50円の番付も1日で約500枚売れた。

 1人で100枚の大量購入者もいたが、番付は通常1日で数十枚が売れる程度。地元出身の元大関琴光喜関が載る最後の番付。名古屋場所担当の二所ノ関部長(元関脇金剛)は「番付はびっくりするぐらい売れた。場所前に売り切れるかもしれない。宝物になるのかな」と苦笑いだった。

 すでに開催は決まっていたが、売り上げに変化はなかった。4日に賭博関与者79人が謝罪し、琴光喜関の解雇が決まった。二所ノ関部長は「さらし者とか言われ、すべてみそぎは済んでいないが、評価を得ているようだ」と話した。

 一方で入場券払い戻しも決まった。実際には7日からとなるが、先発事務所にはその手続きを中心に約100件の問い合わせがあった。4日には「大相撲を見捨てないで」と訴えた二所ノ関部長。「まけてくれというおばちゃんには困ったが、それでも来てくれる。もう1度見に来ようと思われるような場所にしたい」。せめてもの活気ある土俵を願った。