偉業が生で見られない!?

 横綱白鵬(25=宮城野)がNHKの生放送中止に肩を落とした。部屋関係者を通じ「中継がされずに残念です。名古屋場所も目前なので、けいこに集中して頑張ります」とだけコメント。今場所は史上初の3場所連続15戦全勝がかかる。さらに32連勝中で自己記録更新や朝青龍、大鵬の連勝記録超えを狙うが、会場以外のファンにリアルタイムでは伝わらなくなった。

 大相撲は母国モンゴルでも衛星生中継されており、高視聴率を誇っている。「もっと相撲を好きになってほしい」が口癖だけに、ショックは大きい。先場所は13日目に優勝を決めると、14日目からは「黄金まわし」を締めて視聴者を楽しませた。土俵入りや仕切りでも細かい所作にこだわりを持つが、ダイジェスト番組では微妙な変化は伝わらない。

 「異例」の連続に、周囲にはピリピリムードが漂う。この日朝は名古屋市内の部屋で約1時間半、汗を流した。だが、報道陣や一般ファンの見学は禁止。部屋関係者は「デリケートな横綱に集中してもらうため」と説明する。賭博問題では自ら賭け花札を行い、契約トレーナーや付け人頭は野球賭博に関与していたことが発覚。「チーム白鵬」の顔ぶれが変わり、好奇の目が注がれている。この日の夜は、名古屋入りした家族と過ごし、少しでも気持ちを落ち着かせようとしていた。