<大相撲名古屋場所>◇5日目◇15日◇愛知県体育館

 白星が遠い…。西十両筆頭の磋牙司(28=入間川)は、元気なく初日から5連敗となった。元関脇のベテラン玉乃島に左腕を抱えられ、上体が起きる。持ち前の低い位置からの攻撃を封じ込まれると、そのまま押し込まれ、最後は体を預けられるようにして寄り倒された。「今日は最悪な相撲。(相手が)デカイから体が伸びちゃうんですよね…」と力なく、うなだれるしかなかった。

 白星なしの5連敗は、夏場所とまったく同じだ。ただ、先場所は6日目から巻き返し、最後は7勝8敗と踏ん張った。2場所ぶりの幕内復帰をまだあきらめるわけにはいかない。苦笑しながら「なんとかなりますよ。追い込まれたら力出すタイプなので」と必死に前を向こうとする。賭博問題で、謹慎休場している幕内6力士の十両陥落は確実。角界の不祥事も、磋牙司にとっては再入幕のチャンスなのだ。「気持ち切り替えて頑張りますよ。体調はいいですから」。口もとを引き締めるその目は、まだ輝きを失ってはいなかった。