<大相撲九州場所>◇3日目◇16日◇福岡国際センター

 前日2日目に横綱白鵬(25=宮城野)の連勝を止めた東前頭筆頭の稀勢の里(24=鳴戸)は、大関日馬富士(26=伊勢ケ浜)に快勝し、2勝1敗と白星を先行させた。白鵬戦と同様、立ち合いから突き放しにかかると、馬力を生かし、わずか6秒5で突き出した。日馬富士は右肩に故障を抱えていたとはいえ、10連敗中と苦手の相手を一蹴し、勢いが本物であることを証明した。「逆に気を引き締めて臨んだ。今日が重要?

 もちろん、そういう意識はあった」と胸を張った。

 この日の朝、11連敗中だった白鵬対策として秋場所後から連日15分ほどビデオで攻略法を探していたことを明かした。自身と白鵬の取組を過去3年分、繰り返し見ていた。「今場所の一番は(惜敗した)前の2場所と途中まで展開が一緒だった」と、突き放した後に引いていた過去2場所から一転、攻め続けたことを研究の成果に挙げた。この日の日馬富士も「ビデオで研究?

 そうだね」とニヤリ。詳細は明かさなかったが、入念に準備していた。

 前夜から携帯電話に着信やメールが相次いだ。「めったに鳴らないのに。半年分は鳴ったかな」と笑う。今日4日目に大関魁皇(38=友綱)を破れば横綱、大関戦の白星先行が決まる。優勝争いの台風の目になる可能性も十分だ。