大相撲横綱審議委員会の内山斉委員長(78)が27日、大関稀勢の里(26=鳴戸)に「名古屋場所14勝」を綱とりの条件に示した。この日、東京・両国国技館で行われた横綱審議委員会後に「来場所は綱とりを目指してほしい」と明言。白鵬、日馬富士の両横綱を倒して全勝優勝なら文句無しだが「優勝ができなくて14勝ということになっても、(話が)上がってくると思う。2つ以上落とすと無理じゃないですか」と話した。

 夏場所の稀勢の里は13戦全勝同士で白鵬と対決も惜敗。千秋楽は大関琴奨菊に一方的に寄り倒された。「全勝で突っ走るかという勢いがあっただけに、2連敗は意外というか残念。最後に黒星が続いたもろさをどう克服するか」と同委員長。他の委員も「今場所は勝ち方に美しさがあった。来場所の白星の質による」と横綱推挙へ注目する。

 「ハイレベルで」と大きな期待を寄せている北の湖理事長(元横綱)は風邪による下痢の症状のため、欠席して自宅療養。それでも日本相撲協会と横綱審議委員会が「横綱稀勢の里」誕生を望んでいるのは確か。綱とりへの道は整いつつある。【鎌田直秀】