史上最多33度目の優勝を全勝で飾った初場所の一夜明け会見で、審判部を批判した横綱白鵬(29=宮城野)は27日、公には姿を見せなかった。師匠の宮城野親方(元前頭竹葉山)も無言を貫いた。周囲によると、取り直しとなった13日目の稀勢の里戦については、取組直後から不満を持っていたことも分かった。

 審判部を痛烈に批判して前代未聞の波紋を引き起こした白鵬は、公に姿を見せることはなかった。関係者によると、床山を自宅に呼んで髪を結い直し、昼の食事会に出掛けたという。東京・墨田区の部屋には午前中、師匠の宮城野親方が現れた。テレビのワイドショーなどを見ていたそうで、午後3時前に険しい表情で部屋を後にしたが、問い掛けには一切、口をつぐんだ。

 一夜明け会見では、いきなり自ら「疑惑の相撲が1つあるんですよね」「子供が見ても分かるような相撲。なぜ取り直しになったのか」「2度とないようにやってもらいたい。本当に肌の色は関係ないんだよね」などとまくし立てた。その不満はどうやら、場所中から持っていたようだ。

 関係者によると、13日目に取り直しの一番に勝って優勝を決めた翌日には、周囲に「あれ(最初の一番)は勝っていた」と漏らしていた。一夜明け会見は、午前10時半の予定が1時間以上遅れて始まった。これも、取り直しへの不満が一因だったという。明け方まで飲み明かし、祝宴の酔いが残ったまま臨んだ会見。酔った勢いもあって、たまった鬱憤(うっぷん)が口をついて出てしまった。

 この日も部屋にはサッカーの岡田武史氏らから祝いの花が届いた。ただ、周囲の雰囲気は祝賀ムードとは程遠くなってしまった。今日28日は東京・両国国技館で、審判部による番付編成会議が開かれる。批判された親方衆は、どういう対応を取るのか。