<バレーボール:全国高校選抜優勝大会:山形商(山形)2-0下北沢成徳(東京)>◇4日目◇23日◇東京・代々木体育館◇女子3回戦

 女子の山形商が下北沢成徳をストレートで下し、1県1代表制以降では県勢初の8強進出を決めた。昨年の全国私学大会準V校相手に、第2セットは最大7点ビハインドをはね返した。

 快挙といって、いいだろう。山形商が、県勢として80年の山形学院以来30年ぶり2度目、1県1代表制となった89年以降では初の8強進出だ。24-23のマッチポイントからライト武内ゆきな(2年)のアタックが決まると、選手たちは両手を振り上げて大喜び。しばらく興奮は納まらなかった。相手のサーブ13失点にも恵まれた結城一秀監督(47)は「何やら、おこがましくて。今回も勝たせていただいたようなもの」と謙虚に喜びをかみしめた。

 とはいえ、相手の自滅に救われただけではない。第2セットは、6連続失点の5-12からの劣勢をはね返した。途中出場で全国デビューした1年生センター佐藤さくらが“シンデレラガール”ぶりを発揮。ダイレクトアタックを決めるなど5連続得点につなげ、劣勢ムードを振り払った。

 チーム一丸でつかんだ勝利だ。ユース日本代表レフトの山上彩主将(2年)は「自分は不完全燃焼でしたが、みんなが支えてくれた」と感謝した。会場では元日本代表の偉大な先輩、高橋みゆき(31=タレント)も応援。高校2年時に自ら築いた2年連続16強のチーム記録を更新された高橋は「成徳は私たちが高校2年の時に負けた相手。久しぶりに感動しています」と後輩たちの健闘をたたえた。

 1大会3勝のチーム記録がかかる24日の準々決勝では、大会3連覇を狙う東九州龍谷(大分)と対決する。山上主将は「東龍とやるのが目標でした。みゆきさんからクロスが良かったといわれたので、自信を持って頑張りたい」と、番狂わせでの県記録更新に意欲を見せた。【佐々木雄高】