<卓球:世界選手権>◇6日目◇3日◇女子シングルス準々決勝◇横浜アリーナ

 日本女子で唯一、シングルス8強入りした世界ランク99位の石川佳純(16=ミキハウスJSC)は準々決勝で五輪2大会連続金メダルの張怡寧(中国)に1-4で敗れた。ラリーで何度も打ち勝ち、第2ゲームを奪った。あこがれの存在との対戦に「本当に幸せ。勉強することは多かった。反省して、次は勝利できるような選手になりたい」と、晴れやかな表情で話した。

 07年8月の中国オープン以来、2度目の対戦だった。結果は1-4と同じだが、張は「ビックリした。成長が非常に早い。将来、ライバルになる可能性がある」と絶賛。福原と石川の差を聞かれると長考し「少し上かな」と、石川の潜在能力を評価した。

 日本女子の2本柱として期待された福原、平野が2回戦で早々と敗退する中、世界ランクで上回る相手を次々と破った石川の評価はうなぎ上り。日本女子の村上監督は「大会前は福原、平野に次ぐ位置付けだったが、今は石川が一番強いのでは」と、貴重な左利きの16歳を代表のダブルスの主軸として期待した。それでも石川は「勝てると思った瞬間はなかった。全然ダメ」ときっぱり。次代のエースは、貪欲(どんよく)に上を目指していく。【高田文太】