<東北・北海道地区大学選手権:東北福祉大2-1東日本国際大>◇12日◇決勝◇北海道苫小牧市・緑ケ丘球場

 東北福祉大(仙台6大学)が2-1で東日本国際大(南東北)を破り、2年ぶり22度目の明治神宮野球大会(11月15日開幕)出場を決めた。主戦の2年生左腕・森山一茂(大分・楊志館)が8回 2/3 を5安打1失点。完封目前の9回表2死から連打を許して降板したが、今大会2勝を挙げて最優秀選手賞を獲得した。

 4年ぶりの光景だった。2年ぶりの王座奪還を果たした山路哲生監督(42)の胴上げ。常に全国上位を求められる常勝軍団の、04年全日本大学野球選手権優勝以来の監督胴上げに、応援スタンドからも色とりどりの紙テープが舞った。

 昨秋は八戸大に延長で敗れV逸。今春の全日本選手権準々決勝では、東洋大(東都)に0-13で5回コールド負けの屈辱。山路監督は「(胴上げは)本当は嫌でしたが選手は去年、今年と悔しさを味わい、この大会にかけていたと思う。苦しい戦いに勝ち、今日だけはいいのかな」と理解を見せた。

 だが、采配では厳しさも示した。完封目前の9回2死から連打を浴びた森山を降板。救援の桑鶴雄太(2年=青森・光星学院)も適時打を許し1点差に迫られた。山路監督は「(1本目の)ヒットで代えようと思ったが完封していたので。私の甘いところです。でもいい経験になったと思う」と自らも戒めた。

 その森山も「神宮でなくて、ここでよかった」と納得の表情。山路監督は「春はベスト8だったので、今回はそれ以上。日本一を目指してやらせたい」と、まだ成し得ていない秋の日本一を見据えた。【佐々木雄高】