<神宮大会:東北福祉大1-0早大>◇4日目◇18日◇大学の部準決勝◇神宮

 早大(東京6大学)が東北福祉大(北海道・東北5連盟)にサヨナラ負けし、決勝進出を逃した。0-0で迎えた10回1死三塁からスクイズを決められた。斎藤佑樹投手(2年=早実)は8回を3安打無失点で投げ抜いたが、報われなかった。

 早大・斎藤の08年シーズンが思いもしない形で終わった。延長10回の末、サヨナラ負け。ベンチから飛びだす足取りは重かった。「4年生が最後になる。つらいものがあります。抑えてくれ、という気持ちで見ていました」。斎藤は最後の試合を力なく振り返った。

 昨年の決勝相手・東洋大にリベンジしようと臨んだ大会だった。明治神宮大会は早実時代を含めて3度目の出場だったが、日本一には届かない。「優勝したかった思いはあります」と言うしかなかった。自ら望んだ先発の役割は全うした。8回を3安打。ラストイニングとなった8回、2安打を許し1死一、三塁とされたが後続は許さなかった。細山田武史捕手(4年=鹿児島城西)が「打たれることもある。思い切っていけ」と声をかけてくれた。頼もしい先輩とのコンビも最後となってしまった。「最後の最後まで本塁を守ってくれた。いい仕事をしてくれました」。

 今年のリーグ戦では春の3勝から秋7勝。夏にはチェコ、ブラジル遠征も経験して成長した。来季は3年生、上級生になる。自身の投球について「細山田さんに学んだ知識に自分の考えを入れて組み立てたい」と言い、こう付け加えた。「さらに上を目指して、フル回転できるようにしたい」。最後は悔しさを忘れ、先を見据えていた。【米谷輝昭】