<東京6大学野球:法大5-0東大>◇第5週初日◇8日◇神宮

 法大のドラフト1位候補右腕、加賀美希昇投手(4年=桐蔭学園)が97球で今季初完封を決めた。最速150キロをマークし、6安打6奪三振で東大に先勝した。首位慶大は、この日誕生日の4番伊藤隼太外野手(3年=中京大中京)が3安打3打点。開幕戦でノーヒットノーランを達成した竹内大助投手(2年=中京大中京)は、1失点完投で今季3勝目を挙げた。

 今季初完封した加賀美のユニホームは、神宮の赤土で汚れていた。0-0の2回、二塁走者として1番土井の左前打で本塁に滑り込んだ。「先制点がほしかった」と野手顔負けのプレーで、チームを鼓舞した。

 本職では最速150キロをマーク。186センチの長身から、ドロンとした100キロ前後のスローカーブで、直球の体感速度を上げる。チェンジアップでタイミングを外した。「高校時代もなかった」という97球完封。相手の力を見ながらペース配分し、打たせて取った。

 神奈川・鎌倉市の実家は、サザンオールスターズの楽曲で有名な稲村ガ崎まで徒歩2分。湘南ボーイとして、幼少時から砂浜を走り込んできた。早大・大石、中大・沢村らの直球と比較されるが「真っすぐでグイグイ押すタイプじゃない。自分の持ち味を出したい」と、わが道を進んでいく。