<東京6大学野球:早大4-1法大>◇第1週2日目◇12日◇神宮

 早大のドラフト上位候補右腕、福井優也投手(4年=済美)が大学初完投でリーグ通算10勝目を挙げた。自己最速タイの152キロをマークし、152球を投げて6安打11奪三振。1勝1敗に戻し、13日の3回戦に先発予定の斎藤佑樹投手(4年=早実)につないだ。

 赤丸急上昇中の福井優が、毎回の11奪三振完投で、チームのピンチを救った。昨年まではコントロールを乱して自滅するシーンが目立ったが、最速152キロの直球に、スライダーを交えて凡打の山を築く。大学初完投に「疲れました。正直、まだいくのって感じ」と照れたが、152球目に149キロを出して空振り三振に切った。斎藤、大石が世界大学野球選手権でチームを離れていた夏、6日間で1000球を投げ込んだ。炎天下で、こんな試合に勝つための準備を進めた。

 斎藤、大石ら1位指名確実の投手に続き、福井は外れ1位の目玉候補になってきた。巨人は10人体制で視察するなど、各球団が9回までチェック。西武鈴木編成部長は「変化球でもストライクが取れるようになった。(1位指名の)12人には入ってくるでしょう」と高評価した。福井は、3回戦先発予定の斎藤に「明日頼むぞと。3回(降板)とかはやめてくれって言います」と、にこやかに球場を去った。【前田祐輔】