左腕ジョンソンに対して、ソフトバンクは上林らを外して右打者のデスパイネ、川島をスタメン起用するなど打線を大きく変えてきた。結果的に、これが機能したとはいいがたい。打線はジョンソンを攻略しきれず、3回には、川島が送球ミスでピンチを広げ失点。さらに、2死から松山の左前打で二塁走者の生還を許した。守備のいい外野手なら防げたかもしれない。リーグ戦で指名打者のデスパイネを左翼に起用した以上、守備面でのマイナスは織り込み済みだろうが、セの本拠地で普段と違う野球をして、チームのバランスが崩れてしまった印象だ。

逆に広島は普段通りの野球をした。前日6打数無安打の1番田中が1、3回に先頭打者で出塁し、2番菊池がつなぎ、丸以降でかえす。リーグ戦でやってきた野球を実践し、序盤で試合の主導権を握った。短期決戦はリーグ戦とは違う。だが、普段の野球ができるかどうかが、勝負のポイントにもなる。(日刊スポーツ評論家)