日刊スポーツ評論家の梨田昌孝氏(66)が7日、阪神の沖縄・宜野座キャンプを視察し、今年の虎は「これまでと違う」と断言した。大山悠輔内野手(25)糸井嘉男外野手(38)の動きから競争意識の高さを感じ取っていた。

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朝の特守から見ていたが、今年の阪神は雰囲気がこれまでと全然違う。大山とマルテの特守も見たが、そこには競争意識が感じられた。守備は大山に分があるが、彼も昨年20失策した悔しさがあるのだろう。動きも良かった。

打撃でも大山には変化がある。本人とも話したが、左足を上げず「すり足」で、球を捉える確率を高めようとしている。また「バットを内側から出そうとしている」とも。もともと長打力はあるが、左足を大きく上げることによってタイミングをずらさせてしまうところが見られた。昨年は5月までに9本塁打したが、6~8月が月間1本塁打で9月が月間2本塁打。確実性を高めることができれば、もっとコンスタントに本塁打が打てるはず。昨年の4番は与えられたものだったが、競争という中でかなり変化が見てとれるから、楽しみだ。

嘉男(糸井)の打撃練習も目を引くものだった。ベテランになると、この時期は体慣らしというか、当てるだけのようなスイングが普通だが、相当(強く)振っていた。しかも、いい形で振り切っていた。本来であれば右肩を開かずに振らないといけないのだが、彼の場合、振り切るときに右肩を開いて振ってしまうクセがあった。それが、しっかり右肩が残って、振り切れている。本人にも「25~30本塁打だ」と言ったのだが、こちらも楽しみだ。

大山と糸井の動きに象徴されるように、チーム内の競争の激しさがある。あらためて言うが、今年の阪神は違うよ。