巨人の紅白戦を楽しみにしていた。1回表の紅組の攻撃を見てすぐに感じた。ファーストストライクを打っている。

重信、吉川大、石川はいずれも積極的に打ちにいった。両軍の打者が一巡した3回裏の2死まで、打者18人のうち16打者がファーストストライクを振っていた。その姿勢が素晴らしい。結果、たとえ凡退でも、未来に向けて生きてくる。

紅白のメンバーを見た時、レギュラーは岡本と小林の2人。その他はいずれも1軍キャンプへの生き残りをかけている。そのすべてが、積極的に振る姿勢を体現していた。頭の中で状況を整理し、自分のタイミングで振れるように仕上がっている。

さらに、投手陣もそのバッター相手に臆せずストライクゾーンに投げ込んでくる。投打にわたって、自分たちに何が求められているかを、若い選手も、ベテランも、外国人もみんなが理解している。それを原監督が見ている。この循環を俯瞰(ふかん)で見ると、チームとしての方針が浸透しており、その中で実のある競争が行われている。(日刊スポーツ評論家)