ソフトバンクが27日、3年ぶり19度目のリーグ優勝を果たした。

なんといっても今年のホークスは中継ぎが安定していた。特に8回モイネロ、9回森の安定感は抜群だった。この2人がいたから、先発投手も最初から飛ばしていくことができた。モイネロの存在感は特に大きかった。打たれる雰囲気を感じさせなかった。昨年は2人のうちどちらかが故障で離脱したり、自分の力を出せなかったが、今年は成績を残して離脱もなかった。強力コンビがどっしり控えているのは心強かった。

7回は最後まで固定できなかったが、多くの中継ぎが役割を果たすことでシーズンを乗り切った。高橋礼、嘉弥真、泉に松本を加えた布陣もしっかりしていた。「モイネロ、森につなげばなんとかなる」という空気が、首脳陣も投手陣にも流れていた。他の球団にはなかった後ろの安定感だった。

打撃では、やはり柳田が1年を通して成績を残したことが大きい。昨年は長期離脱、一昨年はシーズン終盤で離脱したことを考えれば、最初から最後まで打線の柱に座っていたことは、リーグV奪回の大きな要因だった。さらに、周東と栗原という若手がレギュラーをつかんでシーズンを通してプレーできたことが挙げられる。特に周東は足だけでなく、打撃も向上させて1番に固定されつつある。これまで打線の課題と言い続けてきた「1番打者固定」に、ようやく近づきつつある。守備位置もいろいろやった上で、二塁手として固定して使わないといけない状況を自らつくり出した。栗原は自慢の打撃を生かすために守備をどこでもこなした。本来、野手は1つのポジションをしっかりやりたいものだが、守備以上に打撃で成績を残した。2人は来年さらに期待が持てる存在だ。

若手といえば笠谷の成長も目立った。昨年からそうだが、オープナーとして起用された先発では、自信がないからコーナーを突きすぎて自滅していたが、1勝してから自信がついたのか、ベース板の上で勝負できるようになった。

野球はやはり投手が安定しないと勝てない。17年の優勝もそうだったが、投手陣、特に救援陣を整備することがいかに大事かを感じさせられた。(日刊スポーツ評論家)

ソフトバンク対ロッテ 8回に3番手で登板したリバン・モイネロ(撮影・菊川光一)
ソフトバンク対ロッテ 8回に3番手で登板したリバン・モイネロ(撮影・菊川光一)