日刊スポーツ評論家の里崎智也氏(44)が、オリックスのキャンプをチェック。2年目の宮城大弥投手(19)を絶賛した。

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今年のオリックスを考える時、主力としてすぐに思い浮かぶのは山本、山岡のエース級2枚と、打線の核となる吉田正になる。ただし、この3選手に続くメンバーを比較すると、力の差を感じずにいられない。戦力としての現状だ。

ならば、どうするか。野球とは、大別すると「守り勝つ」「打ち勝つ」の2種類になる。現状のオリックスなら、目指すべきは守り勝つ野球ということになるのではないか。打ち勝つ野球には、得点源となる打者が複数人いて、さらに出塁率の高い1、2番が必要になる。そうした点を踏まえると、守り勝つ野球に軸足を置いた方が、上位に挑める戦いができるとみる。

守り勝つ野球を目指した時に、何が必要になるか。山本、山岡に続く先発投手ということになる。田嶋が3番手と考えるなら、4番手を争える若手の台頭をこのキャンプで形にしたい。

19年のドラフト組として、宮城の存在は出色と言える。昨年はファームで13試合に登板して6勝2敗、防御率2・72。実戦に耐えうる体力を証明すると、シーズン終盤に1軍デビューしている。キャンプでも、投内連係の練習では2年目らしく真っ先にマウンドに上がり、フィールディングでも動きの良さを見せた。意欲、コンディションの良さに2年目の飛躍を感じさせるものがある。

キャンプ2度目のブルペンは、意識的に高めを狙い実戦を想定した内容。コースを投げ分ける制球力が光った。変化球はもちろんクイックもこなし、順調な仕上がりだ。

投打に発展途上の感は否めないオリックスだが、捕手出身の中嶋監督のもと、守り勝つ野球を掲げ、まずできるところから固めていくことが大切と感じた。そのためにも、宮城は投手陣の競争を促す存在。今季の新人王レースで有力候補に成長していく可能性を感じずにはいられなかった。(日刊スポーツ評論家)


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中嶋監督(左)と宮城の投球を見る本紙評論家の里崎氏(撮影・前岡正明)
中嶋監督(左)と宮城の投球を見る本紙評論家の里崎氏(撮影・前岡正明)