日刊スポーツ評論家の里崎智也氏(44)が6日、巨人の宮崎キャンプを視察した。新加入の桑田真澄投手チーフコーチ補佐(52)が、投手陣にどんな波及効果を与えるのか? 里崎氏が考える先発投手論についても語った。
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桑田さんが球界に戻ってきた。私は大きな期待と、そして関心を持って今年の巨人投手陣を観察していこうと思っている。
第2クールの初日からブルペンは活気があった。木の花ドーム(室内練習場)の奥にブルペンがあり、並んだ投手の一部しか見られなかったが、横川の豪快なフォームや、高橋らの球筋を見ると、仕上がりは早く、順調に来ているように感じられた。
先発投手に求めるもの。私はこう考える。完投できるけど、しない。まず、完投できる能力を身につけてマウンドに立つ、それが先発投手としての基本的な資質だ。完投できないからしないのと、できるけどしないのでは、雲泥の差だ。
先発投手に最初から完投は求めない、そんな風潮がいつしか定着しつつあるように感じる。そしてそれに伴うしわ寄せは、エース1人にのしかかる。エース以外の先発陣がはなから6回100球ほどを目安にしているから、中継ぎ陣への負担は増す。そこでエースが投げる時くらいは完投をという流れになり、負担はエースだけに偏る。そういう図式だ。
しかし、仮に先発6枚の中で3人が完投能力を身につけていれば、そんな弊害は未然に防げる。「今日は中継ぎを休ませたいから最後まで頼むぞ」。そんな言葉を3番手の先発に言えるチームは強いだろう。それは日ごろの鍛錬と強い意志を持てば、プロ野球に身を置く投手にとって手が届かないものではない。
仮に1イニング15球で9回を135球と考えた時、大切なのは全投球を全力で投げないことだろう。つまり、試合展開、打者の状況、自分のスタミナを考え、場面によっては8割の力で抑えるなど、ピッチングの中に強弱、めりはりをつける、そこがポイントだ。逆にいえば、初手から6回100球というものが頭にあるから、9回を通したゲームプランが描けない。9回を投げ抜いたものにしか、完投を想定したピッチングのめりはりはイメージできない。まず、長く投げる、完投を目指すという高い意識を持ってもらいたい。
さらにいえば、100球が限界の先発には中5日で回すことだって考慮に入れるべき。仮に完投能力が見込めない投手陣ならば、6回100球の先発スタッフを中5日で回せば、ローテーション投手の1枠を中継ぎに回すことも可能になる。前提として完投能力がある投手を3人は備え、そこで投げきる実績を積ませることで、投手は強くなっていく。
シーズン20完投の実績をもつ桑田さんなら、そのノウハウを巨人投手陣に伝えることができるはずだ。巨人は球界の盟主。完投を掲げ、それを実践することで巨人投手陣がプロ球界を引っ張ってほしい。(日刊スポーツ評論家)




