プロ入り3年目を迎える中日の根尾が、ステップアップしている。プロ入り後、やや伸び悩んでいるように見受けられたが、ここにきて打撃での悪い癖が修正されている。今季は念願のレギュラー奪取に向け、スタートラインに立った。

雨のため、室内練習場でのフリー打撃を視察させてもらった。打球の伸びなど、室内では分かりにくい面もあったが、インパクトするまでの動作が、格段に良くなっている。以前は、トップを作る時にグリップと左肘が背中側に大きく流れてしまうため、どうしても後ろに位置する左肘が体の前に入りにくくなっていた。この悪癖があると、バットは外回りしやすくなるし、グリップとバットが同じタイミングでドーンと出てしまい、球の見極めも悪く、変化球への対応も難しくなってしまう。ここの部分が、捕手側の後ろ方向に収まるよう矯正されていた。

まだ実戦で同じように打てるか分からないが、13日の練習試合で3安打。本人も手応えを感じているのではないか。もともと軸回転で鋭く回って打てるタイプで、この部分が矯正されれば懐を深くして緩急にも対応できる。体も大きくなっているように見えたので本人に聞いてみると、体重が4キロほど増えて84キロ(身長は177センチ)になっているそうだ。打球の“質”も良くなっていると思う。

今キャンプでは、根尾と同じ右投げ左打ちの立浪臨時コーチが指導。右投げ左打ちは、体の左サイドが器用に使えないため苦しむケースがあるが、自分と同じタイプというか、根尾が目指すべきお手本のようなバッターだった立浪コーチの指導は合っているのだろう。遊撃は守備力が重要なポジションで、打撃だけが良くてもレギュラーにはなれない。しかし、そこそこ守れるようになり、現在のレギュラーである京田が昨年のように2割ちょっと(2割4分7厘)の打率であれば、レギュラーの座をつかむチャンスは十分にある。(日刊スポーツ評論家)

13日、DeNA戦で中前打を放つ中日根尾
13日、DeNA戦で中前打を放つ中日根尾