巨人が2日連続でソフトバンクの本塁打攻勢に沈み、公式戦11連敗、オープン戦を合わせると14連敗(1分け)を喫した。日刊スポーツ評論家の谷繁元信氏(50)は、両軍差をバッテリーの“アレンジ力”と分析した。

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2年前から続く巨人の対ソフトバンクの連敗は、バッテリーのアレンジ力の差にある。前提として投手力の差が開いていることも事実。だが差し引いても実際の対戦時の感性を生かしてほしいと思う試合だった。

初戦で攻めきれなかった内角攻めを序盤から徹底はした。特に2回に1発を浴びた柳田には5球連続で内角へ。打たれたカットボールは内角要求が逆球になって甘く入ったものだった。2打席目も全3球を内に突き、打ち取った。ここまで極端な配球はチーム指示によるものだろう。偏りすぎるのもありと言えばありだ。

だが事前の戦略を押し通すだけでなく、生の対戦で感性を働かし、アレンジすることを忘れてはいけない。4回1死一塁。甲斐は1-2から内角高めの直球を強引に打ちに行ったものの、グリップエンドに当たり、あわや死球になりそうだった。あれほど窮屈なスイングを見れば外角への意識が強いことは感じられる。だが巨人バッテリーは外角へのカットボールを続けて決勝の2ランを浴びた。1度厳しく内角を突いたから意識を植え付けられただろうと外角に転じたが、甲斐の反応を見て内角を続ければ打ち取れる可能性が高かった。

捕手としての甲斐は2年前の日本シリーズからアレンジ力を感じられるようになった。3回にウィーラーが2ボールからナックルカーブに反応したのを見ると、3球連続で内角直球を要求。初回に先制2ランを放ったウィーラーは窮屈そうで、結果的に勝負球が甘く入り中前打は許したが、過程としては打者のスイングを見て、決めていた型をあえて崩していた。

両チームの打者を見ていれば、自分の形で振れているスイング数が明らかに違う。巨人打線は窮屈そうで、逆に型にはめられた巨人バッテリーに対するソフトバンク打線は強いスイングができる確率が高い。この差が縮まらないと、巨人になかなか勝ちが巡ってこない。(日刊スポーツ評論家)

ソフトバンク対巨人 4回裏ソフトバンク1死一塁、左越え2点本塁打を放った甲斐(中央)をタッチで迎える工藤監督(左)(撮影・足立雅史)
ソフトバンク対巨人 4回裏ソフトバンク1死一塁、左越え2点本塁打を放った甲斐(中央)をタッチで迎える工藤監督(左)(撮影・足立雅史)
ポイントとなった配球
ポイントとなった配球