山本を打ち崩して勝つことがいかに難しいか。オリックスを除く11球団はみな知っていることだ。先発の力量を理解し、そこから策を講じるのが定石。打ち崩すのが難しいなら、いかに早くマウンドから降ろすか。そこに勝機を探るのがチームオーダー。その1点に絞って見た。
7回、日本ハムは1死から石井が14球を粘り四球で出塁。この粘りを皮切りに2死二、三塁と山本を攻めたが、宇佐見が三振で好機を逸した。7回だけで山本に34球を投げさせた。6回までが74球だったことを考えると、いかに7回で粘ったか。逆に言えば、そこまでどれだけ山本に気持ち良く投げさせていたか、ということになる。
山本はこの回で降板したが、そこまで26打者のうち15人がファーストストライクを振っている。「どんどん振っていこう」という新庄監督の意図は理解できる。今の日本ハムは育成しながら勝つという難しい作業に取り組んでいる。
それを踏まえて指摘するなら、その15打者のうちファーストストライクを振って、いい当たりは皆無だった。チームオーダーとして打っていくのはいいと思う。そういう積極性が、若い日本ハムには必要なことだ。ただし、だからと言って、どんなボールも振りにいくのでは工夫が足りない。配球を読む、打つ方向を考える、そういう狙いで臨めば可能性はもっと広がる。
投手から見て、ファーストストライクがもっとも被打率が高い。ゆえにそこを突破口にすることは、むしろいいことだと感じる。それがチームオーダーならば、さらに打者なりの狙い、意図を持つことが、今の日本ハムには必要だ。つまり、そこから先の戦略が見えてこない。
昨年の日本シリーズで優勝したヤクルトですら、山本の投げた試合では勝ったが、山本に黒星をつけられなかった。日本ハムも山本は打ち崩せなくても、山本の投げる試合で勝つ、そのために各打者は何ができるか、よく考えてほしい。
7回石井の打席でつかんだ兆しをもっと早く、山本攻略のヒントとして、打者2巡目までに実践していれば、肉薄できた可能性はある。山本を完投させないこと。山本降板後の投手は山本よりも力は落ちること。そこを踏まえ、チームとして束になって攻略に挑まなければ、勝利は遠い。(日刊スポーツ評論家)




