好投した阪神西純矢は、ここから巻き返しを図るチームの“新戦力”になるかもしれない。先発ローテーションの枚数に加えて投げさせることができるまでに成長した。そう思わせるだけの投球だった。

その成長の跡は、ことごとく左打者を封じた場面にも表れた。西純が打たれたのは広岡の左二塁打、岡本和の左前打、ウォーカーの中越え本塁打の3安打。好調の1番吉川をはじめ左打者にヒットを許さなかった。

やや硬さのあった立ち上がりだが、1回2死一、二塁で、5番丸を3球続けてストレートで追い込んだ後、カウント1-2からフォークで空振り三振にとった。角度のついたストレートと同じ軌道で来るフォークに見極めをさせなかった。

2回。ウォーカーに浴びたソロ本塁打は高めにいったストレートだ。西純のピッチングの傾向として膝元に投じるストレートの球威が落ちない。球速150キロを超えていたから、低めに制球をつけてどんどん投げ込んでいくべきだ。

チームも6連勝したこともあって落ち着いてきたようにみえる。それは近本、佐藤輝、大山の打順を固めたからで、あとは5、6番に起用するバッターを入れ替えながら戦っていくだろう。

ここからは大型連敗を避けること。そして、5、6月で勝率5割に戻すぐらいの追い上げペースでいけば、ようやくチャンスは生まれるかもしれない。(日刊スポーツ評論家)

【写真たっぷり詳細ライブ】連敗の首位巨人と5連勝中の阪神が対戦 1日の巨人-阪神戦

巨人対阪神 巨人に勝利しファンの拍手に帽子を上げて応える西純(撮影・上田博志)
巨人対阪神 巨人に勝利しファンの拍手に帽子を上げて応える西純(撮影・上田博志)
巨人対阪神 1回裏巨人2死一、二塁、丸から三振を奪い雄たけびをあげる西純(撮影・上田博志)
巨人対阪神 1回裏巨人2死一、二塁、丸から三振を奪い雄たけびをあげる西純(撮影・上田博志)