阪神03、05年のVメンバーだった今岡真訪氏(47=日刊スポーツ評論家)が、古巣の交流戦を「一気に詰めるチャンス」とした。昨季までロッテのヘッドコーチで交流戦を知り尽くす男は、抑えの岩崎優をキーとし、楽天田中将大、ロッテ佐々木朗希ら好投手との対戦にも「どのように勝ちにいくか」と仕掛けの成否が明暗を分けるとみた。【聞き手=寺尾博和編集委員】

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交流戦はセ・リーグの阪神、パ・リーグの日本ハムが、どれだけ上位チームとの差を縮めるかに注目しています。両軍とも最下位ですが、交流戦は上位との差を一気に詰めるチャンスだからです。

阪神は交流戦をきっかけにしたいですね。同一リーグ戦は、なかなかゲーム差が縮まらなかった。ここは一気呵成(かせい)。一気にいかないと、その後の戦いはおのずと厳しくなってきます。

最近は違うリーグとの対戦といってもほとんど違和感がない。特に選手はそうです。当初は打者なら実際にそのピッチャーと対戦してみないと持ち球やクセなどタイプが分からなかった。

でも毎年のように対戦し、各チームとも同一リーグの対戦カードと同じ分量で詳細なデータがそろっています。例えば楽天との初戦は田中将が先発ですが、対戦にあたって特別な感覚はないはずです。

ただ、どうしたら勝てるかでなく、どのように勝ちにいくかだと思います。ロッテ戦で先発が予想される佐々木朗ですが、まともには打てません(笑い)。1年前に甲子園でプロ初勝利をあげましたが、すべてにバージョンアップしてますからね。

真っすぐが球速160キロ以上で、150キロのフォークですから別世界。またここにきて自分のペースを崩さない。そこはできるだけ球数を投げさせながら、チーム全体で攻略するしかないでしょう。

ベンチが困ったときに頼るのはどうしてもベテランなのでDH起用は糸井でしょう。佐藤輝もインコースを打ってないわけではない。大山はもっと打てるはずです。近本を含めた3人が機能するかどうか。

あえていうなら交流戦のカギを握っているは岩崎だとみてます。もたつく場面もありましたが、ここがパ・リーグ相手にはまれば十分戦えるし、投打がかみ合えば一気もある。(日刊スポーツ評論家)

【イラスト】セ・パ交流戦の日程
【イラスト】セ・パ交流戦の日程