日本ハム打線がソツのない攻撃を見せたが、特に目立ったのが2番に入った谷内だった。

初回は走者を一塁においてエンドランを空振りしたが、スライダーが抜けたとんでもないボール球だったので仕方なく、その後に直球をきっちり安打にした。バタバタ片付けられることなく、オリックス山岡にきっちりした立ち上がりをさせなかった。

さらに秀逸だったのは、カウント3-2からスライダーを右前に打ち返した2回のタイムリーだ。相手バッテリーは初回に打たれた直球は使いにくく、谷内はスライダーに張っていたと思う。初球、ボールにはなったがベース板の上に来たスライダーを腰を引くように見逃し、スライダーが見えていないような印象を与え、捕手にスライダーをさらに要求させるような見送り方に見えた。技術や読みがあり、得点圏打率(4割7分1厘)が高いのもうなずける。

山岡を降板させるイニングとなった5回は、宇佐見、今川の奪った四球が大きかった。宇佐見は13球粘ったが、引っ張りの意識を捨て反対方向にファウルし、山岡が出した四球というより宇佐見が取った四球。内角攻めを受けた今川も同じで、この2つの四球が清宮の走者一掃の三塁打につながったといえ、内容のある攻撃だった。(日刊スポーツ評論家)

日本ハム対オリックス 2回裏日本ハム2死二、三塁、右前適時打を放ち手をたたく谷内(撮影・黒川智章)
日本ハム対オリックス 2回裏日本ハム2死二、三塁、右前適時打を放ち手をたたく谷内(撮影・黒川智章)
日本ハム対オリックス 試合前、会話する谷内(左)と新庄監督(撮影・佐藤翔太)
日本ハム対オリックス 試合前、会話する谷内(左)と新庄監督(撮影・佐藤翔太)