近鉄、日本ハム、楽天で監督を務めた梨田昌孝氏(69=日刊スポーツ評論家)が21日、中日の沖縄北谷キャンプに潜入した。

昨季の阪神は中日戦に勝ち越したが、バンテリンドームで4勝8敗と5年連続の負け越し。ビジター対策と外国人が機能するか否かで戦況は変わってくると論じた。【取材・構成=寺尾博和編集委員】

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最下位から逆襲にでる中日は、どれだけ得点力が上がってくるかにかかっている。そこは阪神が置かれた立場と似ている。昨季はリーグ最少が中日(414得点)、5位が阪神(489得点)だった。

阪神は中日にシーズン13勝12敗とかろうじて勝ち越したが、敵地バンテリンドームは4勝8敗と5年連続負け越し。ずっと“鬼門”のイメージを引きずっているから、ここを払拭(ふっしょく)したい。

先発は大野雄、柳、小笠原、松葉、高橋宏らに、新たに涌井が加わったのは強み。中継ぎもバラエティーで、WBCキューバ代表メンバーのロドリゲス、マルティネスが8、9回に控えるから手ごわい。

阿部、京田の二遊間コンビ放出で、センターラインの顔ぶれが変わった。ショートは龍空の一本立ちが期待され、二塁は新人田中、村松が定位置争い。新戦力がチーム内競争の刺激になるとはずみがつきやすい。

それはキャッチャーにもいえることで、主戦は木下だが、この日の日本ハム戦にマスクをかぶったルーキー山浅も注目される。センターは岡林、左翼大島、ライトに外国人の布陣になるのだろう。

ヤクルト、オリックスのように、最下位から優勝のジャンプアップするケースもある。その点、ビシエドに、3年ぶり復帰のアルモンテ、新外国人アキーノとカリステ(現在故障中)ら助っ人が機能することがチーム浮上の条件だ。

また昨シーズンの逆転勝ちはリーグ最少の20試合にとどまった。「先行-逃げ切り」のゲーム展開がはまれば良いが、ビハインドからひっくり返す力のあるチームは勢いがつきやすいから課題といえる。

戦力的には阪神が上をいくが、両軍とも外国人の働きがチームの行方を左右するとみた。

中日対日本ハム 試合前、言葉を交わす(左から)立浪監督と梨田氏(撮影・森本幸一)
中日対日本ハム 試合前、言葉を交わす(左から)立浪監督と梨田氏(撮影・森本幸一)