正直に言えば、阪神才木投手の5回降板には少し驚きました。67という球数ではなく投球内容でスパッと代え時を決断。岡田監督ら首脳陣の眼力が白熱した投手戦を呼んだのではないでしょうか。

才木投手はこの日に限ればカウントの作り方にやや苦しんだ印象です。スライダー、カーブの精度が良くなかったのか、67球の9割近くが直球かフォーク。これでは真っすぐかフォークか1/2の確率で球種を張られ、1、2の3で強振される確率、フォークを見極められる確率も上がってしまいます。1回には1番ブリンソン選手、4回には3番秋広選手に直球を狙い打たれて被弾。他の打者にも1、2の3で強振されるケースが目立っていました。こうなると結果を相手打者の調子の良しあしに委ねなければならなくなります。

打者目線で言えば、同じフォーク狙いでも「スライダー、カーブもあるかも」と考えさせられるか否かで全然違います。たとえば左打者の場合、外角から入ってくるスライダー、カーブも意識すると、少々のボール球でも外角球を振りにいく必要が出てきます。そうなるともちろん内角球も効いてきますし、他の球種も頭にチラつけば、仕留められるはずの狙い球がファウルになる可能性も高くなります。才木投手はもう「状態がいい時に抑える」はクリアできています。今後はスライダー、カーブの精度に磨きをかけて、カウントの作り方の幅をさらに広げてほしいと思います。

巨人には守備面で少しもったいない場面がありました。4回表、1-1の同点に追いつかれてなお1死満塁、梅野選手の三ゴロを岡本和真選手が本塁に送球したシーンです。正面の打球だっただけに、二塁吉川選手のポジショニングも踏まえれば、二塁送球からの併殺を狙えたように感じました。もちろんベンチから本塁送球の指示が出ていたのかもしれませんが、岡本選手クラスであれば事前にセカンドとの距離感を図った上で、とっさに二塁送球を選択しても良かったかもしれません。あの場面を1失点で切り抜けていれば当然、展開は大きく変わっていたはずです。

一方の阪神守備陣は先頭打者弾を食らった直後の初回、ノイジー選手が左中間への安打で二塁を狙った丸選手を刺して、流れを引き戻しています。7回には中堅近本選手がフェンスにぶつかりながら飛球を好捕する場面もありました。シーズンも中盤から終盤に入ってくると、細かいプレーが試合の行方を左右するケースがさらに増えてきます。1つ1つのプレーに対する準備をますます大切にしてほしいものです。(日刊スポーツ評論家)

巨人対阪神 1回裏巨人無死、ブリンソンに先頭打者本塁打を許し、打球を見つめる才木(撮影・浅見桂子)
巨人対阪神 1回裏巨人無死、ブリンソンに先頭打者本塁打を許し、打球を見つめる才木(撮影・浅見桂子)
巨人対阪神 1回裏巨人無死、ブリンソン(後方)に右越え先頭打者本塁打を浴びた才木(撮影・足立雅史)
巨人対阪神 1回裏巨人無死、ブリンソン(後方)に右越え先頭打者本塁打を浴びた才木(撮影・足立雅史)
巨人対阪神 4回裏巨人無死、秋広(左)に右越え同点本塁打を浴び、のけぞって悔しがる才木(撮影・上田博志)
巨人対阪神 4回裏巨人無死、秋広(左)に右越え同点本塁打を浴び、のけぞって悔しがる才木(撮影・上田博志)
巨人対阪神 4回表阪神1死一、二塁、安藤コーチ(右)の言葉にうなずく才木(撮影・上田博志)
巨人対阪神 4回表阪神1死一、二塁、安藤コーチ(右)の言葉にうなずく才木(撮影・上田博志)