オリックスは初戦に大敗を喫したことで、気持ちを切り替えやすかったはずだ。
初戦は阪神、この一戦はオリックスがやり返して1勝1敗のタイになった。これで今年の日本シリーズは第7戦までもつれると予感めいたものを感じた。
中嶋監督は先発メンバーを3人入れ替えてきた。ベンチ入りもしていなかった西野を2番に、4番セデーニョ、9番広岡に出番を与えた。その3人ともが働いたのだから采配が的中したといえる。「DH」を除いてほぼメンバーを固定する阪神とは対照的だった。
明暗を分けたのは、4回の攻防だ。チームが一方的に敗れた一夜明けだから宮城にはプレッシャーもかかったはずだ。しかし、1点リードの4回表のピンチをしのいだのは大きい。その裏の阪神西勇は2アウトからの失点だからもったいなかった。
西勇はこの一戦で好投すれば第6戦以降に先発する可能性も考えられた。だがコントロールが良すぎたがために、コースを突いた球がわずかに外れ、勝負球が甘くなったところを打たれてしまった。これで次回登板の可能性は消えたと受け取れた。
セ・パ各リーグでのチーム防御率は、阪神(2・66)、オリックス(2・73)ともにトップだから、ロースコアの戦いが予想された。だがフタを開けてみれば2試合とも「8対0」の大味な展開で意外だった。これも独特の雰囲気に包まれるシリーズらしい。
第3戦からは甲子園に舞台を移すが、どちらのチームも3連勝するのは難しい。阪神は大声援の後押しを受ける。オリックスは頓宮が守備に就くのか、杉本は出場できるのか、森が外野を守るのか否かが注目点になってくる。
そして、京セラドーム大阪での第6戦は、阪神は村上を立てるだろうし、オリックスは再び山本をリベンジの先発マウンドに送り出すとみる。現時点では、やや阪神が有利。いずれにしても第7戦まで持ち込まれるだろう。