阪神にとって、開幕までの最終カードになったオリックス3連戦は、ちゃんとベストメンバーを組んで臨みたかったはずだ。それがここにきて大山、森下らが欠場し、主力がそろわない状況には不安がつのる。

開幕への最終登板になった青柳にも、6回ぐらいは投げてほしかったことだろう。それが右足親指あたりの皮がめくれたらしく、4回を投げきったところで降板になった。これも首脳陣にとっては想定外だったはずだ。

もっとも投球自体は、可もなく不可もなくといった内容だった。立ち上がりからのらりくらりだったが、3回には3番西川につかまった。1－1から浴びた右越え本塁打は、カットボールが曲がりきらなかった。

逆にオリックス宮城は上々の仕上がりをみせた。ストレート、スライダー、チェンジアップ、フォークを投げ分けながら予定の6イニングを投げ終えた。日本シリーズで被弾したノイジーからの3三振を含む計7奪三振で万全だった。

ベストメンバーを組めなかった阪神にとっての救いは、佐藤輝に当たりが出ていることだ。粘りながらコンパクトな打撃で3安打の結果を残したのは頼もしい。あとは中野が調子を上げてこないと、攻撃パターンが生まれてこない。

オープン戦の勝敗はさておき、チームとしてはまだ不安材料のほうが多い。開幕までの約1週間で、これを払拭しながら、ベストメンバーで臨めることを願うばかりだ。（日刊スポーツ評論家）