今キャンプで最も注目されるルーキーといえば、5球団競合の末に楽天にドラフト1位で入団した宗山だろう。攻走守3拍子がそろった逸材で、11日の試合でも2打数2安打1四球と結果を出した。個人的にはルーキーに対して厳しい評論をするのは気が引けてしまうが「20年に1人」という前評判がある選手。前置きとして理解してほしいのだが、“一流選手”としての扱いで評論させてもらった。
この日はDeNAとの練習試合の予定だったが、雨のため中止になった。室内での練習かと残念に思っていたところ、午後から野手はグラウンドでシートノックとフリー打撃を行った。
まずは評価の高い守備から評論したい。キャッチボールから見ていて気になったのが、下半身の使い方とテイクバック。下半身の使い方は軸足に体重が乗る時間が少ないため、左足に重心が移るのがやや早かった。少し距離が伸びてからは軸足のタメが利いてよくなったが、全体的に体の左側に重心が移るのが早いスローイングだった。テイクバックもヒジから上がるため、制球が安定しにくい動きになっていた。
この部分が実際の守備にも影響していた。ボールを捕球する際、ゴロのスピードに合わせて軸足を踏み込んでいくのだが、ジワッとした感じで粘り強く踏み込めない。そのため左足の着地がペタッという感じになってしまう。スピードが必要なプレーのときはいいのだが、ステップを踏んで投げるような丁寧なスローイングをやや苦手にしているように見えた。
シートノックでは2度、ファンブルして打球を前にはじいていた。グラブを下に落として捕りにいくのはいいのだが、やや体の左側に離れてしまっている。そのため、打球の転がってくるラインに対し、ややグラブが横から入りやすくなる。こうなるとグラブの動きが左右の横の動きになりやすく、縦に使いづらくなり、奥行きがなくなってしまう。本人も自覚があると思うのだが、もっとスローイングが安定してくれば、すべての技術で安定感が出てくるのではないか。
まだプロに入った直後で、同じショートでプレーする村林など、上手なプレーを目の当たりにして硬くなっている印象があった。細かい技術を指摘させてもらったが、動きそのものはセンスのよさを感じるし、スローイングがもっと改善されれば一流とはいわず「超」の付く一流のショートになれると思う。
打撃に関しては、まだバットが外側から入る癖があるため、こすったような打球が多い。ただ、当て勘はよさそうで、アマチュア時代から実戦経験は豊富。この手のタイプは積極的に打ちにいけるため、勝負強く、実戦で力を発揮するタイプだと思う。
あえて厳しい視点で評論させてもらったが、それだけの資質を持っているから、日本を代表するショートになる姿を見続けたいと思う。(日刊スポーツ評論家)




