日刊スポーツ評論家陣が小久保ホークス連覇の秘密に迫った。浜名千広氏(55)が今年のチームの戦いぶりを分析。守護神・杉山一樹投手(27)が連覇のカギになったと語った。
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ソフトバンクが逆転でリーグ連覇を達成した。開幕直後から故障禍に悩まされたが、チーム復調の最大の要因は新守護神・杉山の存在ではないだろうか。優勝の絶対条件はクローザーの確定。それも安定した力を発揮し、しっかりと勝ちゲームを締められる守護神がいなければ覇権は厳しい。オスナが不調で開幕から5月までは不安定だった救援陣だが、助っ人右腕の代わりに杉山が抑えとしてはまったことで戦いも安定した。替えの利かない9回の「抑え」をシーズン最後まで杉山が務めたことはホークスVの最大の要因と言っていい。
杉山は身長192センチ、体重107キロ。堂々としたボディーで、何よりタフだ。連投も問題ないし、投球テンポがいい。150キロ超の直球に落差のあるフォーク。自慢の2球種をポンポンと投げ込み、リズムもよかった。杉山が固定できたことで、7回藤井、8回松本裕の勝利のパターンも確立できた。やはり、ペナントレースを制するためには「守護神」確立の重要性をあらためて認識したシーズンだった。クローザーが確立したのはパ・リーグでは杉山と西武平良くらいだろうか。残念ながら西武はチーム戦力的に厳しい状況だったからV戦線には食い込めず、最後までV争いを演じた日本ハムは絶対的な守護神不在が正念場で響いた。象徴的だったのは新庄ハムとの9月18日の本拠地決戦。1点を追う8回に日本ハム3番手の古林睿煬(グーリン・ルェヤン)から栗原が同点の7号ソロ。その後、満塁として4番手田中が川瀬に押し出し。9回表はしっかり杉山が3人で切って逆転勝ち。7回から藤井、松本裕、杉山の勝利の方程式で無安打無失点。ホークス救援陣の力の差を見せつけた試合だった。
野手陣では牧原大の貢献度は大きかった。二塁1本で勝負しながら、周東のコンディション不良などもあって中堅を守ると、さらに左翼、右翼と外野のポジションをすべてこなした。同じ外野守備と言っても距離感も違えば、角度も違う。簡単にこなせることではない。さらにイニングで内外野を交代することもあった。牧原大にしてみればいろんな葛藤もあっただろう。それでも黙々とこなし、打撃も正念場の8月に月間37安打、打率3割8分5厘の驚異的な数字を残した。優勝の功労者として挙げておきたい。(日刊スポーツ評論家)




