交流戦に入った。シーズン中はDH制のパ・リーグだが、セ・リーグ主催の試合では投手陣も打席に立つ。東北学院大時代もDH制だったという楽天岸は「バッティングは好きですけど、当たる感じがしない。高校の時もそんなに得意ではなかったので」と言う。先日Koboパーク宮城で行われた先発投手の練習では柵越えを狙ったが、結果的に0本で終わった。

 そんな中、ひときわ存在感を放った選手が則本だった。左打席に入り、打撃投手を務めた与田投手コーチの球を何度も広角に打ち返した。まず、打球が鋭い。変化球に対しても腰をグッと落とし、引きつけてライナー性の打球を放った。まさに打者顔負けである。「バッティング自体は、嫌いじゃないですけど、全然すごくないですよ。たまたまですね」と謙遜しながら、最後は右翼スタンドへ1発を放り込んだ。

 2日の巨人3回戦(Koboパーク宮城)で、7戦連続2桁奪三振のプロ野球新記録をマークした。メジャー記録である8戦連続2桁奪三振へ期待も高まるばかりだが、個人的には打者・則本の豪快なスイングに興味津々である。三振の山を積み上げ、勝利をもたらす1発という、そんなストーリーも不思議ではない。【楽天担当 栗田尚樹】