日本ハム清宮には、どうも“スランプ”という概念がなさそうだ。公式戦初安打は、わずか3日前。無安打が続いていた時も、自分自身で「不調です」と言ったことは1度もなかった。

 荒木2軍監督が「こんな時でも、前向きなことばかり言うんだよ。あいつの才能だな」と感心するほどで、担当の岩舘スカウトは「ちゃんとメンタルコントロールができるのは、お父さんのおかげだと思う」と、ラグビーの選手、指導者として日本一の経験がある克幸氏(50)の影響を指摘する。

 誤解を恐れずに言うならば“天然キャラ”。バットが振れずに悩んでいたかと思えば「そんなことはない」と言う。「体の状態は良かったので、バットが重いからかなって。慣れたら打てるなと思っていました」とニコニコ。さすが「幸」太郎。ハッピーオーラは最強の武器かもしれない。【中島宙恵】