<ロッテ2-3ソフトバンク>◇7日◇ZOZOマリン

 台風13号が迫る千葉・幕張に少しばかりだが光明が差した。打撃不振に表情を曇らせていたソフトバンク内川が2本のヒットを放った。ここ3試合は無安打。5日のオリックス戦(ヤフオクドーム)後は、敗戦の責任を背負い込み「僕の責任です」と、言葉少なに球場を後にしていた。この日も「4番」ではなく「6番」で先発出場。2回の先頭打席で中前に運ぶと、7回2死一塁の場面ではしぶとく右前に運び、松田の勝ち越し打をアシストした。

 「うーん、でも結局、打ちたいところで打ってないですからね」。試合後、まだ内川に笑顔はなかったが、少しずつ上昇の手応えを感じているようでもあった。この日の2安打で通算2039安打となった。ソフトバンクのOBでもある新井宏昌氏の2038安打を抜き、歴代44位となった。今季、2000安打の金字塔を打ち立て、個人記録からチームVへの打撃の転換を誓ったキャプテンだが、数字を積み上げて行けば「先輩」たちを抜き去っていくのも事実。あと2本で先代キャプテン小久保裕紀氏の数字に並ぶ。

 2000安打を達成した後、小久保氏から食事に招待された。記録達成の記念にイニシャル入りのゴルフパターをプレゼントされた。「贈り物」はそれだけではなかった。今季、ケガの影響もあって打撃不振に悩む内川にソフトバンクの「4番」としての気持ちの持ち方も諭された。チームは苦しい戦いが続く。正念場の夏、1日も早く「4番内川」の快打が見たいものだ。【ソフトバンク担当 佐竹英治】