ヤクルト川端(左)と山田哲(右)の自主トレに「助っ人」参加の元ヤクルトの松井氏(2019年1月11日撮影)
ヤクルト川端(左)と山田哲(右)の自主トレに「助っ人」参加の元ヤクルトの松井氏(2019年1月11日撮影)

ヤクルトの山田哲人内野手らが行う愛媛・松山市内での合同自主トレに「助っ人」が合流した。16年までヤクルトでプレーしていた松井淳さん(31)だ。

ウオーミングアップのランニングでは、選手とともに走った。現役引退後、自主トレを行っていた松山を訪れるのは初めて。お世話になった関係者もおり「ずっとあいさつに来たかったので」と、忙しい仕事のスケジュールを調整して足を運んだ。

山田哲のティー打撃の球出しを行い、合間にはひたすらボール拾い。打撃投手も務めて汗を流した。11年に入団した山田哲を見たときは、衝撃だったという。「入ったときに、すごい選手になるんだろうなと思った。スイングも、身体能力もすごかった」と振り返った。山田哲に加えて川端、荒木、谷内らは現役時代、一緒に自主トレを行っていた仲間だ。「このメンバーは、特に思い入れが強いんですよ」と練習を手伝う松井さんは、楽しそうだった。

現在は、外資系の大手保険会社に勤務している。ヤクルトからの戦力外通告を受けた後、野球を続ける道もあったが「新しい道へ進もう」と決意した。サラリーマンになって以降も、時間を見つけては神宮球場を訪れている。「(選手として)中でやっているのと、外から見るのでは全く違う。やっている時はつらくて、大変だった」。

ファンに交じって、スタンドに座る。周囲はビールを片手に観戦する人が多いが、松井さんは飲めないという。「外から見ていて選手の気持ちが分かるので、それだけ真面目に見てしまうのかもしれません。この場面はプレッシャーがかかっているなとか、心境を知っているので、どうしても」と教えてくれてた。

昨季セ・リーグ2位に躍進したチームを支えているのは、現役時代に切磋琢磨(せっさたくま)しあった選手たち。「このメンバーが主力になってくれているのは、とてもうれしいです。力を入れて、応援しています」。選手たちも、松井さんの思いを感じているに違いない。【ヤクルト担当 保坂恭子】

自主トレを行うヤクルト山田哲らにノックする元ヤクルトの松井氏(2019年1月11日撮影)
自主トレを行うヤクルト山田哲らにノックする元ヤクルトの松井氏(2019年1月11日撮影)