“やきゅう”の神様に、連覇を願った。西武辻発彦監督が訪れた箭弓(やきゅう)稲荷神社。埼玉・東松山に神社で、本物と同じサイズのホームベース型絵馬に「連覇」と書き記し、験担ぎした。パ・リーグ制覇した昨季に続く2年連続の神頼み。昨季は「攻め勝つ」と書いたら、強打でリーグ優勝を果たしただけに、ただの“ダジャレ”ではなさそうだ。

歴史は古い。1000年近く前、源頼朝が戦勝を報告したことにちなみ、勝負の神様へのお参りが盛んになった。同じ読み方とあって、近年は野球関係者が訪れ、あのミスターこと長嶋茂雄氏や、野村克也氏も参拝したという。境内の絵馬を見ていると、バット型の絵馬も発見。小学生から大学生、社会人までたくさんの選手が願掛けをしていた。当然、西武の活躍を願う声もたくさんあった。

そのパワーは芸能界にまで波及していた。映画で野球部女子マネジャーの役で主演した元AKB前田敦子が、ヒットを祈願し参拝した。“やきゅう”の神様の懐深さは計り知れない。

つかの間のオフの1シーン。辻監督は「去年、願いがかない優勝した。そのお礼と今年もいいことがありますように、と願いました。誰もが縁起を担ぐものだから」。勝負の世界に身を置く者にしかわからない、神に願いたくなるようなヒリヒリした緊張感が、もうすぐ始まる。【西武担当 栗田成芳】