2月の春季キャンプ中、新任の巨人宮本和知投手総合コーチに、21年間レギュラーを務めた日本テレビ系「ズームインサタデー」時代の話を聞いたことがある。「土曜の朝というのは多くの人にとって休日の初日。1週間の中で最もリラックスしたい時間だと思うんだよね。だからこそ、分かりやすいテーマ、言葉で視聴者へ伝えることが大事」。巨人の選手、首脳陣の素顔を発信する「プロ野球熱ケツ情報」を通じて、野球を身近なものに感じてもらうためには何が必要なのか。人気コーナーを作り上げたコツを簡潔に明かしてくれた。

コーチとして迎えた新シーズンは約1カ月が過ぎた。視聴者の目線に立ったタレント時代から立場が変わり、現在は投手陣をまとめるトップとして求められることをあらゆる場面で体現している。試合前練習では前日の勝敗にかかわらず、常に笑顔で1人1人の選手に積極的に声をかける。試合中にはマウンドからベンチへ戻る投手へ誰よりも早く駆け寄り、助言を与える。「みんなはファミリーだよね。誰ひとりとして欠けていい人はいない」。選手目線に立って鼓舞をする。

6日DeNA戦で3勝目を挙げたドラ1ルーキーの高橋も「試合中も常に気にかけてくださるので、とても心強いです」と存在の大きさを口にしている。

ただ、万事がうまくいくことはない。苦しい時ももちろんある。キャンプ、オープン戦から期待をかけた救援陣が打たれ、負けた試合後は目を真っ赤にして報道陣に対応したこともあった。「誰も打たれようと思って投げている投手はいない。私の責任です」と真正面から追及を受ける。「やっぱりいろいろあるよね。でも全て初めての経験だから。選手とともに成長していきますよ」。チーム一丸となって戦うためのカギを宮本コーチが握っているかもしれない。【巨人担当 桑原幹久】

投手陣を集めミーティングを行う宮本和知コーチ(左から3人目)(2019年4月15日撮影)
投手陣を集めミーティングを行う宮本和知コーチ(左から3人目)(2019年4月15日撮影)