<中日6-0広島>◇7日◇ナゴヤドーム

中日大野雄大投手(30)が、今季3勝目を608日ぶりの完封で飾った。切れ味あるスライダーで緩急をつけ、広島打線を散発3安打に抑え、自己最多に並ぶ13三振を奪った。令和ではセ・リーグ完封一番乗り。チームとしても今季初の完投で、昨季未勝利の本格派左腕が完全復活を印象づけた。

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今季初完封勝利を挙げた大野雄には、悩みがある。16年9月28日の巨人戦を最後に安打を打っていない。この日を終えて75打席無安打。リーグ記録は84打席無安打で、不名誉な記録も見えてきた。

今季は広島菊池涼のバットを使い試合に臨んでいる。「実績のある打者のバットだから」と愛用したが、前回の広島戦(4月23日、マツダスタジアム)でポキリ。聞きつけた菊池涼が追加で3本のバットを届けてくれ、使用を続ける。

練習後に室内練習場でマシン打撃を続ける大野雄。見かねて、村上打撃コーチも指導する。投手では異例の早出特打にも参加。リーグ「令和」初完封と歴史に名を刻んだが、悩ましい記録にも1歩近づいた。【中日担当=伊東大介】