<楽天4-2ソフトバンク>◇24日◇楽天生命パーク

2年ぶりのV奪回を目指したソフトバンクの夢は仙台の夜空に吸い込まれていった。3点差を追う9回に1点を挙げ、2死満塁まで攻め立てたが、1番牧原が中飛に終わった。西武がロッテに大勝し、悲願はならなかった。

本拠地最終戦で敗れ、残り5試合全勝を誓ったが、杜(もり)の都で力尽きた。「ミスしたほうが負け。スキは見せないようにしていたんだが…。7回の失点が致命的だった」。試合後、森ヘッドコーチは厳しい表情で振り返った。1死一、二塁から重盗の三塁送球を松田宣がはじき、1点を許すと、浅村に適時二塁打。3点差と突き放されてしまった。「もったいない。とにかくこれからはCSもあることだし、そこに向けてしっかり修正していかないと」。3位を確定させた楽天と第1ステージで戦う。優勝は逃してもまだまだ戦いは続く。

西武との直接対決はなく、負けたほうがV逸となる一戦必勝のサバイバル戦を展開してきた。141試合目の終戦となったが、森ヘッドコーチが言うように、3年連続日本一へとつながる道は残されている。疲労困憊(こんぱい)のホークスナインだろうが、まだまだ「戦意」は失うわけにはいかない。

試合後、宿舎に戻ると全体ミーティングを開いた。焦燥感もあろうが、うつむいてばかりもいられない。「V奪SH!」の合言葉とともに5年目の工藤政権はスタートした。ここからはV3の「日本一」、再度の下克上を誓わなければならない。プロである以上、心を折ってはいられない。【ソフトバンク担当 佐竹英治】