<ソフトバンク7-9日本ハム>◇25日◇ペイペイドーム

こりゃ大勝だ、と思っていたら中盤以降から雲行きが怪しくなった。2回で大量6点をリードしていたソフトバンクが、7回一挙6点を失って痛恨の逆転負け。ホークスベンチはサブマリン高橋礼からモイネロ、森の必勝リレーを想定していたのだろうが、何ともやるせない結果に終わってしまった。

7回は3安打しか許していないのに6失点。やはり「四球」と「失策」は大きく傷口を広げることになる。これでまた日本ハムとの通算成績は5勝5敗1分けの五分。今6連戦は2勝3敗。何としても負け越しだけは避けたいところだろう。ただ、不気味な男を目覚めさせてしまった。日本ハム4番の中田だ。この4試合でヒットすらなかった。ことごとくチャンスで凡退した。ソフトバンク中村晃が不慣れな4番で快音を響かせているのとは対照的に大ブレーキとなっていたのは事実だった。だが、7回に勝ち越しの10号3ランが飛び出した。試合後、何の声援もない敵地ペイペイドームでヒーローインタビューのマイクを握って復調を誓っていたが、この1発だけで終わるつもりはないだろう。

苦悶(くもん)する主砲にベンチは「信頼」の気持ちも忘れなかった。4戦目を落とした24日夜。チーム最年長選手であり、バッテリーコーチを兼任する鶴岡はこう言った。「中田翔は打ってくれると信じています!」。5戦8三振の中田に対して「信じる心」を貫いていた。鶴岡の思いが通じたわけでもなかろうが、起死回生の1発が飛び出した。

やっかいなチームである。爆発的な攻撃力はホークスが大きく上回っているように思うが、少ない好機を生かすハム打線の「瞬発力」は侮れないのだ。【ソフトバンク担当 佐竹英治】