昨年6月に左膝を骨折した日本ハム上沢直之投手(26)が、復帰3度目のマウンドで413日ぶり勝利を挙げた。

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千葉・鎌ケ谷特有の強い日差しを、気持ちよさそうに受けていた。左膝を覆う装具が外れたばかりの昨年8月。上沢は、積極的に日の光を浴びていた。「太陽光に含まれるビタミンDが、ケガの治りを早くしてくれるみたいなんです」。盆地の2軍本拠地。蒸し暑く、多くの選手が悲鳴を上げる環境を喜んでいた。

右足と比べて、ほっそりした左足。ぎこちない姿でも、トレーナーに励まされながら復活へ歩みを進めてきた。先週まで再調整していた鎌ケ谷をたつ際には、トレーナー陣から「今までリハビリお疲れさまでした」など声を掛けられ、胸を打たれた。

「結構、文句言いながらやっていたんですけどね。しんどいから。僕の膝の骨折は前例がない。これで活躍したら、学会とかでトレーナーが褒められるかなと思いますし、頑張らなきゃなと思います」。新たな目標に向けて、力強く歩きだした。【日本ハム担当 田中彩友美】

日本ハム対オリックス 試合後、栗山監督に出迎えられる上沢(撮影・黒川智章)
日本ハム対オリックス 試合後、栗山監督に出迎えられる上沢(撮影・黒川智章)