<ロッテ6-5日本ハム>◇16日◇ZOZOマリン

ロッテ和田康士朗外野手(21)が16日、日本ハム戦で「1番中堅」でプロ初スタメン。初回にプロ初安打を放つと、いきなり盗塁し、その後生還。3回、5回にも全く同じ流れを繰り返した。50メートル5秒8の俊足を存分に生かし、3安打3盗塁3得点で勝利に貢献する、満点スタメンデビュー。盗塁数を12個まで増やし、一気にリーグトップタイに到達した。

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1月末のこと。キャンプインを前に、若手二十数人が石垣島へ先乗りした。球場左翼から右翼を横一列で一斉ダッシュし、南国の気候に体を合わせていく。何本走っても、先頭をいくシルエットがあった。

ロッテ担当に着任したばかりで、顔と名前と個性が一致しない。井口監督に尋ねる。「あの速い選手は誰ですか?」。「あれはね、和田ですよ」。100メートル先で二十数人が皆、同じようなジャージー姿。それでも指揮官は、育成選手の和田を走る姿で即答できるほど、気にかけていた。

オープン戦も積極起用し、6月1日に支配下選手登録が決定。井口監督は「自分の力で支配下選手契約を勝ち取りました」とたたえた。「レギュラー争いに食い込んでくれれば」と期待を続けた。いきなりの3安打3盗塁3得点。様になるシルエットの若者は、周囲の想像をどんどん超えていきそうだ。【金子真仁】