<ソフトバンク3-4ロッテ>◇4日◇ペイペイドーム

超大型の台風10号が不気味に九州に接近している。最大風速が80メートルにも達するという未体験の強烈さ、という予報である。梅雨の大雨で甚大な被害を受けた九州地方だけに、台風の勢力が弱まることを願うばかりだ。

そんな中、ソフトバンクは本拠地に戻って苦手とするロッテとの3連戦がスタートした。単独首位に立ち、ここで井口ロッテをたたけば「独走」も見えてくる…。だが、残念ながら第1ラウンドは逆転負けを喫してしまった。新外国人ムーアの1失点粘投も実を結ばなかった。1点差の7回に一挙3点を失ってしまった。継投の遅れもあったかもしれない。ロッテ先発石川を攻略できなかった打線のつながりも敗因の1つでもある。2度の送りバント失敗…。負けゲームには反省点が次々と出てくるものだが、それ以上に気になるのはベンチが無意識を装いながら対ロッテの「苦手意識」を必要以上に意識していることではないだろうか。

井口監督、鳥越ヘッドコーチ、吉井投手コーチ、的場戦略兼バッテリーコーチ補佐、清水バッテリーコーチ、河野打撃コーチ…。今さらながらロッテ首脳陣にはこれだけの「ホークスOB」がいる。昨年は8勝17敗。大きく負け越して、V逸の最大の原因ともなった。そして今季も対戦成績は3勝6敗1分けの苦しい戦いが続いている。8回、ホークスベンチは育成から支配下登録されたばかりの渡辺雄をマウンドに送った。プロ初登板をきっちり3人で切った。緊張のマウンドでしっかり結果を出した左腕には拍手を送りたいが、ベンチの意図はいまいち分かりかねた。Vロードはまだまだ険しい。【ソフトバンク担当 佐竹英治】

ソフトバンク対ロッテ 7回表ロッテ無死一、三塁、板東は清田に同点適時打を浴びる(撮影・今浪浩三)
ソフトバンク対ロッテ 7回表ロッテ無死一、三塁、板東は清田に同点適時打を浴びる(撮影・今浪浩三)