<巨人3-5ヤクルト>◇8日◇東京ドーム

巨人坂本勇人内野手(31)が、史上53人目の通算2000安打を達成した。 榎本喜八(東京)の31歳7カ月に次ぐ歴代2位の若さで大台をクリア。右打者では最年少での到達となった。

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義理堅く、人情味にあふれた男だから愛される。巨人坂本は、5日の広島戦(マツダスタジアム)の試合後すぐに電話をかけた。相手は広島の長野だった。「1年間、ありがとうございました」と感謝の思いを伝えると、残り2本に迫った2000安打へと話は移った。偉業を達成すれば、花束贈呈役は長野だったと聞き「準備してもらっていたのに、すみませんでした…」と頭を下げた。

カウントダウンとともに、ひそかな楽しみだった。「広島戦やったら、長野さんかなぁ」。阿部2軍監督が17年に2000安打をマツダスタジアムで達成した時は坂本が花束を渡し、一塁ベース上で思いを伝えた。長野が巨人時代は「サカチョー」と呼ばれ、アベック弾は13回。5日の同戦では長野が10号ソロ、坂本が18号2ランで“14度目”を飾った。チームは変わっても絆は変わらない。遠く離れた広島の地から送られる拍手も、きっと胸に届いているだろう。【久保賢吾】

巨人対ヤクルト 1回裏、2000安打を達成し花束を抱える巨人坂本(撮影・たえ見朱実)
巨人対ヤクルト 1回裏、2000安打を達成し花束を抱える巨人坂本(撮影・たえ見朱実)